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BLIND GARDEN

BRIND GARDEN_漂う視線が交錯し、みることができない他者の視界が作り出す、一過性の地形

 

「詰め物をして生を模された剥製は、生きる本能から離され、空洞という広がりを持つ。

ガラス玉の漂う視線、そのむこう側は空の受容体に像を結ばないで拡散するのかしら。」

愛知県立芸術大学 サテライトギャラリー SA・KURA

2022年6月25日(土)-2022年7月10日(日)

助成:公益財団法人小笠原敏晶記念財団

協力 :株式会社堀内カラー、スカンジナビア・ジャパン ササカワ財団、天神山アートスタジオ、株式会社中央発條製作所

撮影協力:県立武田の杜保健休養林鳥獣センター、苫小牧美術博物館、金沢大学資料館、北海道博物館、北海道大学博物館、石川県立自然史資料館

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むこうがわのこと  ( これはわたしの物語ではなくあなたの物語でもない  |  川のはなし_続きのはなしより )

 

​こっちからあっちにいくとあっちはこっちになって

 

そのまちにはSとSとSがいて

さいしょのSと2番目のSと3番目のSのなまえはちがうのだ、とDは言うけど

聞き分けることができない

その町に3ヶ月余り暮らしたけど

Sと2番目のSと3番目のSを呼ぶことはできなかった

 

砂が流れて、あるいても跡はすぐに消える

 

 

耳の奥の知らない音は弦が揺れたからじゃない

水はなくて

代わりに濃い影が落ちていたはずだけど、思い出せない。

そもそもDの名前もDの兄弟姉妹の名前も

呼べていたのか呼べていなかったのか

 

 

 

 

お面の下はしわしわで

どちらが異形の者なのかしら

 

 

そのまちのもっとずっとずっと北の谷で

新しいなまえをもらった

 

Gの家でくらし、Gの窓から外をみる

眼前の山の裂け目からは水

入り江ごとに石の形が違う

 

薪の様子をみて

もう一度そとを見ると

ヤギはもういなかった

 

 

 

ヤギははやい

 

そもそもここは早い

 

 

これはわたしの物語ではなくあなた私の物語でもない

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